外科・肛門外科
外科・肛門外科は、前院長の古本福市が担当しています。
「刃物で皮膚を切った」、「皮膚に”こぶ”、”できもの”ができた」、「巻き爪が痛い」、「痔(ぢ)などの”できもの”が肛門にできた」、「肛門付近が痛い」など気軽のご相談ください。
必要であれば、縫合処置(傷を縫う)、腫瘤切除(”できもの”を切除する)、切開・排膿(たまった膿などを出す)などの処置を行います。
外科・肛門外科で治療する病気
粉瘤
皮膚の下に小さな袋状の構造物ができ、その袋の中に皮膚の脂(皮脂)や垢(角質)がたまり、”こぶ”や”できもの”のようなしこり(腫瘍)になります。
袋にたまったものは外には排出されないので、時間とともに少しずつ大きくなっていきます。身体のどこにでもできますが、顔、首、背中にできやすいです。
小さいものは5mm、大きいものでは5cmくらいまで半球状に盛り上がり、強く圧迫すると、頂部から臭くてドロドロの液体が出てくることがあります。
良性腫瘍なので、放っておいてもかまいませんが、炎症で痛みがある、上記の液体が出て汚れる、外観上気になる場合は切除します。
局所麻酔して、しこり(腫瘍)全体を取り出して縫合する日帰り手術が可能です。
脂肪腫
脂肪腫は、皮膚の下にできる脂肪の塊(脂肪細胞)でできた良性のしこり(腫瘍)です。痛みなどの症状は無く、皮膚が半球状に盛り上がり、柔らかい”こぶ”や”できもの”として触れます。
身体の各部に発生しますが、背部、肩、首周り、上腕、臀部、大腿などに多くみられます。
良性腫瘍ですが、自然に消えることはなく、ゆっくりと大きくなることがあり、外観上気になる場合は切除します。
粉瘤と同じように、局所麻酔して、しこり(腫瘍)全体を取り出して縫合する日帰り手術が可能です。
爪周囲炎(ひょう疽)
爪周囲炎は、ひょう疽とも呼ばれ、爪周辺のささくれなど小さな傷から爪周囲に細菌感染を起こす病気です。
症状は爪周囲が赤く腫れて、ずきずきとした拍動のある痛みがあります。進行すると膿(うみ)がたまります。
治療は、最初に化膿止め(抗生物質)で治療しますが、膿がたまっていること場合、切開して膿を出さないと治らない場合があります。
爪が食い込んでいるような場合は、食い込んでいる爪の一部を部分切除します。
嵌入爪(巻き爪)
陥入爪は、足の指(特に親指)に生じることが多く、巻き爪の爪先が皮膚に食い込み(嵌入)赤く腫れ、痛みを伴い炎症を起こした状態です。
通常は、嵌入している爪の部分のみを切除すれば治癒に向かいますが、炎症が強く、嵌入が深い場合は、手術によって爪の幅を永久的に狭くする治療方法があります。
痔核
痔核は、肛門近くの血管(静脈)の血流が滞って静脈瘤として膨れ上がったものです。大きく分けて内痔核、外痔核に分けられます。肛門(歯状線)より内側にできる痔を内痔核、外側にできる痔を外痔核と分けます。
主な症状は、出血、脱出(痔が肛門の外に出てくる)、腫脹、痛みなどがあります。
治療は、最初に便秘の改善を行い、出血や痛みを軽減する座薬や飲み薬を使用します。出血のある内痔核には、薬剤を注射する硬化療法を行います。
肛門ポリープ
肛門ポリープは、裂肛(肛門のすぐ上できる微小な裂けたような傷)に持続的な細菌感染や機械的刺激、便成分の化学的刺激などが加わることによって、肛門と直腸の境目付近にできるいぼ状の突起のことです。
排便後に肛門の外に出てきて、出血や痛みを伴うことがあります。ポリープが大きいと常に便意を感じたり、排便時にポリープが引っ張られることにより傷ができて出血を伴うことがあります。
排便時に毎回出血し感染繰り返されると、炎症によって膿がたまったりして痛みが出てくることがあります。その場合は、手術による切除が望ましいです。
局所麻酔して、ポリープを切除する日帰り手術が可能です。
肛門周囲膿瘍
肛門周囲膿瘍は、肛門付近に膿がたまった状態です。症状は、膿がたまった周辺の痛み、熱感、肛門付近から膿が出るなどです。
痔瘻(肛門と肛門すぐ近くの皮膚に小さなトンネルができた状態)、裂肛(肛門からわずかに内側に入った部分にできる裂けた傷)、肛門付近の微小な傷から細菌感染し膿がたまることが主な原因です。
治療は、たまった膿が少ない場合は、抗菌薬、痛み止めを内服して様子を見ます。たまった膿が多い場合や膿がすでに出てきている場合は、切開して膿を出す治療が必要です。